某離島の閑静な住宅街でケルベロスが飼育されていた。地獄の番犬が日本に生息していたことで注目されている。
(ケルベロス:地獄の番犬。三つの頭をもち、亡者を襲う。口から火を噴き非常に獰猛。西洋の地獄に生息)
飼い主はケルベロスと気づかず
ケルベロスの飼い主、甲斐主男さん(62)は12年前から飼育していたという。きっかけは島に存在する「地獄の洞窟」内で合法ハーブを吸引中、まだ子犬だったケルベロスと出会ったとのこと。
始めは頭が三つあり驚いたが、愛くるしい瞳で見つめ合めてきたため運命の出会いと直感し家に連れ帰ったのだ。甲斐主男さんは独り身のため家族同然に育てた。
頭が三つあるため近隣住民を驚かせてはいけないと思い敷地外へは出さなかったが、ケルベロスが抜け出してしまったため近所の住人に発見されたのだ。
甲斐主男さんはこの時はじめて地獄の番犬ケルベロスだということを知った。
ケルベロス迫害される
周辺住民からは地獄の番犬の存在は安全かつ平穏な生活を脅かすものとし、保健所へ殺処分を依頼した。だが地獄出身の犬が島に現れたことがメディアで話題となり、経済効果を狙うケルベロス擁護派が保健所へ異議申し立てを行い殺処分は保留となる。
ケルベロスがいる島として徐々に訪れる人が増えて島の経済も潤い始めた。豊かな生活を手に入れた島民から殺処分の声は上がらなくなった。
ついに島公認のゆるキャラとして地位を固めたケルベロスはゆるキャラフェステバルに参加するなど順調な活躍みえたが、飼い主の甲斐主男さんが脱法ハーブを吸引し錯乱状態なった際、ケルベロスを虐待。
ケルベロスは地獄の本能で甲斐主男さんを食べてしまう。(ケルベロスに食べられれば地獄行き決定)
やはり危険だということで保健所から殺処分の決定が下った。
地獄の番犬
殺処分の当日、職員が安楽死注射を打とうとしたが地獄の本能が目覚めたケルベロスは抵抗。口から火を噴き保健所は地獄と化した。
島に避難警報が発令されるがむなしく半壊滅する。騒ぎを聞きつけた地獄の獄卒たちが現れケルベロスを地獄の洞窟へ連れ帰ったという。
地獄の番犬はペットではないと教訓を得た人々は島の名前を地獄島と改め、ケルベロスは”お犬様”と崇められて今も祀られている。
あとがき
ケルベロスを連れ帰った獄卒たちは西洋圏の獄卒だろうか。もし日本圏の獄卒だったらケルベロスに日本式地獄で居場所はあるのか心配である。
~ユキノブの非現実妄想記事:すべて妄想です~