落語のようにどんな噺(はなし)も面白くする。そんな話芸に憧れませんか。
どうも、ユキノブ( @MirokuNet)です。
落語家はプロの噺家(はなしか)なので、いかに聞いている人を引き込むかを練習してます。高度な話芸は素人に無理(?)、でも、われわれ素人は落語家を目指すわけではなく、落語をベースに話し上手になること、を目指せばいいんです。
ぼくが新社会人になったばかりの頃、教育係の上司によく言われたことがあります。
「落語のように話せ」
話下手のぼくが、いかに聞き手の様子を感じながら引き込む話し方ができるか、真剣に考えてくれたアドバイスでした。
そんなきっかけで落語という話芸をプロの噺家ではなく、社会にどう活かすかを地道に研究してきたので執筆させて頂きます。
目次
落語を知ろう
落語のルーツは、戦国時代まで遡ります。戦国大名に御伽衆(おとぎしゅう)として仕え、話し相手や世の中のありさま、世間の人情などを伝えていました。織田信長や豊臣秀吉にも御伽衆が仕えてたんです。
これが江戸時代に落語として発達。演目(えんもく)と呼ばれるネタを滑稽に話し、最後にオチをつける話芸になりました。落語とは「落ち」とつける話、「落ち」が「オチ」と現代ではいわれます。
落語の流れは2種類。
上方落語
上方(大阪・京都)で発達したもの、「関西弁」です。上方落語だと落語家の前に見台(けんだい)という小さな机に膝隠(ひざかくし)があります。
そして「カンッカンッ」と通る音を鳴らす、小拍子(こびょうし)という小さな小拍子木が置かれています。
落語家の手に扇子が握られてるのは印象強いですね。
江戸落語
江戸で発達したもの、特徴は「てやんでぃ」な「江戸弁」です。粋な口調ですよね。
劇的に省略したものですが、違いを語ると古い歴史から登場人物まで深い話になり、この記事の本筋から外れてしまうので、省略しております。
本当に深いんですよ笑。
落語の特徴を踏まえた上で、自分が練習するならどちらがやりやすいかを選択することをおすすめします(イントネーションなど比較して)。
落語の効果
学生の頃、校長先生の話ってすご~く、退屈じゃなかったですか? 単調で長いだけ……。普通の人が話すと退屈なことでも、プロの噺家が話すとなぜか面白く感じてしまいます。
聞く人を引き込むんです。落語の演目を聞いてる人達を観察すると、前のめりの姿勢になってました。それだけ引き込まれてるんですよね。
TVでもありましたが、No1ホストは接客時に「落語のように話す」とコツを伝えてます。数字のいい営業マンも落語調で話します。
またお笑い芸人も落語は参考にしているようで、千原ジュニアは車で落語を聴いてるそうです。車内で練習されてるんでしょうね。
確かに千原ジュニアの話し方ってテンポが良くて、聞き入ってしまいます。
「タンッタンッタンッ・ターン」ってリズムでオチまでもってくんですが、これが流れるように聞き入ってしまいます。
話し上手が「魚を三枚におろす方法」を説明すると
落語の効果について有名な話ですが、「所さんの目がテン!」という番組で実証されたことがありまして。
一般男性と身分を隠した落語家が、それぞれ10~50代の10人の前で「魚を三枚におろす方法」を説明するという実験です。
一般男性が話すと誰も笑わなかったのに対し、落語家が話すと笑顔がこぼれ吹き出す人もいた。魚を三昧におろす方法だけで、笑いがおきるのは噺家(はなしか)の話芸ですね。さすが!
こちらの朝礼ネタ 面白い話を集めたよ。スピーチ例つきだから読んでみて笑で面白い話を用意しているので、話してみるとどれだけ聞き手が笑うか検証するものおすすめです。
落語で話し上手になるためにおさえておくこと
落語で話し上手になりたいと思ったら、落語の基礎の基礎を知ることです。噺家がよくサイトや本で訴えてることは
- リズム
- テンポ
- 間
この3つが大事です。ぼくが、初めてこの3つを本で読んだ時、「間」の意味はわかってたけど「リズム・テンポ」の正確な意味合いは知ったかぶりでした笑。
なんとなく感覚での理解しかなかったので、ここで定義を記述します。
リズムとは規則性のこと、「ズン・タッタッタッ」みたいな「ビート」とイメージしてもらえば^^
テンポとは「速度」のこと。遅い、速いです。ただ、落語としていえば声の「強弱」も含みますがね。
リズムとテンポのよさが動画であります。(どなたかのブログにリンクが張ってあったのですが、忘れてしまいまして……。教えてくださった方、ありがとうございます)
「大阪城を建てたのは誰だ?」
「はい、大工さんです」
二言だけですが、リズムとテンポがとてもよく笑えます。
では、動画をどうぞ。(ワンポイント:話し手の顔が右に向けると目上の人物役。話し手が顔を左に向けると目下の人物役。詳細は下記で)
▼学校の先生がチャレンジ 落語家から学ぶ「話し方」講座
「大阪城を建てたのは誰だ?」の後に間髪入れず、「はい、大工さんです」、とボケが入ってます(笑)。テンポがいいですね。ここでちょっと声に出してみてはいかがでしょうか。
――「大阪城を建てたのは誰だ?」
――(間髪入れずに)「はい、大工さんです」
もちろん噺家によって「間」をもう少し入れるかもしれません。
落語では必ず正しいことはなく、その時のお客さんの感じで臨機応変に変えてるんです。深いですね。
でもそれは、ぼくたち、一般社会にも言えることです。例えば顧客がゆっくりとした人で、こちらがテンポの速い話し方をしてると、伝わらないことがあります。
臨機応変に顧客に合わせることって、自然とやってません?
繰り返しますが
- リズム
- テンポ
- 間
仕草(しぐさ)
落語の仕草といわれ、思いつくのは、扇子で蕎麦(そば)をすするシーンではないでしょうか。
扇子を箸に見立てて「ズズー、ズズズー」という擬音から映像が浮かびます。他に小道具は手拭いだけ。
後は「表情」という顔の演技や「声」の使い分け、そして「ボディランゲージ」です。
もう役者じゃないかって!それくらい仕草で訴えるんですよね。イメージが浮かぶ仕草ってすごい!
そういった仕草で話を訴求する話芸を、ぼくたちの一般社会で活かすのは、推奨されるべきでしょう。
あまり身振り手振りで話す人って日本人では見かけませんが、古典芸能の落語では「仕草」といって頻繁にやる。話し上手になるためには話し方だけではなく、仕草で訴えることも必要でしょう。
上下(かみしも)
落語で二人の会話を演じるとき、今、誰を演じてるのか。
区別をつけ、わかりやすくするために「上下」(かみしも)という表現方法があります。顔をどちらに向けてるかで、登場人物がわかるようするためです。
目上の人物(殿様、旦那など)は下手(客席から見て左)を向く。つまり自分が噺家であれば右を向く。

目下の人物(家来、下男)は上手(客席からみて右)を向く。つまり自分が噺家であれば左を向く。

このように演じ分けることを「上下を切る」といいます。
これは普段の会話でも面白く使えるものでした。「誰々とこんな会話したよー」と上下を切ってみたら笑いがおきます(笑)
見て楽しむ話芸ですね。
マクラ・本題・オチの順番
落語ではマクラ・本題・オチの3つで構成されています。
マクラ
落語では座布団に座って、すぐ本題に入るわけではなく、世間話などから入ります。
話の本題に入るための導線のようなもの。ここで「マクラを振る」ことで観客の緊張を「ほぐし」たり反応を探ります。(マクラを話すと言わず「振る」といいます)
TV番組の本番前に、前説で観客を温めますよね。前説というマクラ後に、メインキャストが登場して盛り上がるわけです。
実社会でも実はよくマクラを振ってます。営業でいえば「アプローチ」です。世間話など顧客と距離を縮めるための手法ですね。
さらにいえばアイスブレイクです。初対面同士の緊張をほぐすため「自己紹介」や「簡単なゲーム」などを行います。合コンでの自己紹介はマクラを振ってるといえるでしょう(笑)
こうした世間話(天気・最近の失敗談等)でうまく本題につなぐのです。
- ほぐし
- 反応を見る
- 本題への導線
本題
寿限無・雛鍔・饅頭こわい・垂乳根などの落後の噺です。
オチ
オチで噺に結末をつけます。
■:地口オチ
ダジャレ集です。「隣の家に囲いができたってね」「へぇ~」です。
■:ぶっつけオチ
相手の言うことを別の意味にとったものです。
■:間抜けオチ
間抜けな事が結果なオチ。
最後のオチは「言葉少なく、さらっとやることが落とし噺の大事なところであり、むずかしいところ」(6代目三遊亭圓生)
まず落語作品を聴いて練習する
落語はあらかじめ、「作品のあらすじ」を把握しておくと聴きやすいでしょう。
火炎太鼓という噺は笑えるのでご紹介!
火炎太鼓
~あらすじ~
道具屋の甚兵衛(かんべえ)は商売下手。女房はそんな甚兵衛をあきれている。ある日、寛兵衛は市で、ほこりだらけの古い太鼓を買ってきた。
女房は古い太鼓を見て、またまたあきれる。太鼓のほこりを小僧に払わせると、強く叩くので太鼓の大きな音がする。そこへ侍がやってきて「殿様が太鼓の音を気にいって買うつもりだから、屋敷まできなさい」という。
甚兵衛が太鼓を屋敷に持参すると、先ほどの侍が値段について話す。甚兵衛は十万両とふっかけるが、侍は意外にも、三百万両の値段を言う。驚く甚兵衛に「それは火炎太鼓という名品である」と説明。
帰宅すると、女房は三百万両を見てたいそう驚く。
女房が「音がするものは売るにかぎるね」と言うと、甚兵衛は「今度半鐘を仕入れよう」と答える。すると女房は「半鐘はいけないよ。おジャンになる」(オチ)
【おジャン】とは、「なくなる・終わる」という意味。江戸時代、火事が鎮火すると半鐘を「ジャン・ジャン」と鳴らし終わりを告げたことから、【おジャン】は終わりを意味した。
古今亭志ん朝「火焔太鼓 」
話し上手になるための練習法
噺家になるのではなく、話し上手になることが目的です。
プロは噺をソラで言えますが、そこまではちょっと……。なので聴きながら「リズム・テンポ・間」を感じてつかむことがいいでしょう。
ただ聴くだけではなく復唱することです。
自分も同じタイミングで話すことで呼吸を感じとってみます。
歌がうまくなりたいと思っても好きな曲を聴くだけじゃ上達しませんよね。自分も声を出して一緒に歌いませんか?
一緒に声に出して復唱するだけでもずいぶん違うので、おすすめです。上方落語と江戸落語では方言が異なるので自分の生活圏に近い方を選ぶといいでしょう。
もちろん声はしっかり聞こえないといけません。
離れた人にも聞こえるコツを紹介しているのでご覧ください。
・「よく通る大きな声を出す方法5つ」を試したら憧れる声が出せました!⇒
まとめ
いかがでしたか。自信を持ちたい人は、落語をベースに話し方を改良してみるのもいいことです。仕事ができる人は「リズム・テンポ・間」の使い方が上手ですからね。
ぜひご参考ください。
読んでくれてありがとう!
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