面白い話。若気の至りで「踏み込んではいけない場所」に行っちゃうことありますよね。
ぼく、踏み込みました。通常体験しないであろうことを味わいました。
どうもどうも、ユキノブ(@MirokuNet)
怖いのがダメな方、心臓の弱い方はご注意ください。リアルな話なんで責任を持てません。
「いや余裕だから黙れよ、ユキノブ」って方は読み続けてください。
「ほん怖」よりもほん怖かもしれませんよ。
【面白い話】 心霊スポットに行ったらマジで発狂した
【登場人物 】
ぼく
イケメン友だち
女子2人(K美ちゃん、その連れ)
友だちと女子2人で心霊スポットへ向かう
当時、高校を卒業したてのぼくの目標は彼女をつくるでした。
バイト先にちょっと想いを寄せるK美ちゃんがいたんですよね。なんとか付き合えないかと思考をめぐらせていたんです。
で、思いついたのが心霊スポットに行くこと。2人っきりになって、ぼくがそK美ちゃんを守るってゲス計画です。
ほら、あるじゃないですか。
吊り橋効果ってやつ。
吊り橋みたいに、強い恐怖や不安を感じる場所で出会った人に恋愛感情を抱くやつ。平たくいえば恋愛マニュアル本に絶対載ってるやつ。
実行しちゃおうってゲスい計画を立てたんです。K美ちゃんを心霊スポットに誘い出すためバイト先のラルクhyde似イケメン友だちに手を貸してもらい、「滝を見に行こう」ってドライブに誘いました。
滝がある場所、同時に「でるって噂の心霊スポット」…とは黙ってることに。ぼくの目的は「恋愛感情を抱かせる ⇒ 付き合う ⇒ 大人になる」ですからね。
女の子と手をつないだこともなかったんです。
女性未経験なんです。
だから必死なんですよ。
口の上手いイケメン友だちのおかげでドライブ日程が順調に決まり、ぼくの期待は「膨らみ」ました。
メンバーは
男性:ぼく、友だち(イケメン)
女性:K美ちゃん、その連れ
計4人
ヤン車でGO
日程を決め、夜出発で滝に向かいました。ライトアップされた滝鑑賞ですね。
ちなみに車はイケメン友だちの兄ちゃんのをレンタル。登場するなりパラリラパラリラのヤン車です。
引きました、せっかく女子が一緒なのに
ヤン車て!
喜ぶのはヤンキーだけでしょ。女子たちも若干「は? ありえねw」ぐらいの表情はしてたんですよね。
でも眉間にシワを寄せた表情に、ぼくは言葉に表しようのない感情を覚えたのです。
なんといいましょうか、その感じでぼくを見てって……。
大人になった今なら「正解」だとわかります。お金を払って受けられるサービスですもん。
当時はお子ちゃまなので「え、何この感じ。すげーソワソワする」と震えることしかできなかったんです。
そんなほろ苦い思いを噛みしめながら、車は順調に「滝」もとい「でるって噂の心霊スポット」へ向かっていきます。
途中、コンビニで栄養ドリンクを買って一気飲みしました。これでイケる気がしたんです。根拠はありませんが、栄養ドリンクさえ飲めばイケる気がしたんです。
自分を奮いたたせることに成功したぼくたちは無事、目的地へ到着です。
到着……異変
滝はキレイでした。ぼくの不純な動機を洗い流すかのように。
今なら心霊スポットに頼らなくても、K美ちゃんをオトせるんじゃないかと思えました。
でも、ピュアな気持ちは一瞬で踏みにじられたんです。
ふと横を見ると
イケメン友だちがK美ちゃんと「いい感じ」でイチャつきやがってたんですよ。顔が5センチぐらいまで近づいてね。
顔の近さ5センチて!
え? え? え? 友だちはぼくの気持ちを知っているんですけどね。
もう何がなんだかっ……結局イケメンがいいとこ持ってくのかよ……くそっくそっ。
嫉妬でいっぱいのぼくは、意地でも心霊スポットに行って「コイツらに痛い目見せたるっ!」って決意したんです。
おしおきだわいや!
心霊スポットへ
近くのファミレスで夕食をとったあとぼくは
「ねえ、近くの山に霊でるって噂の神社があるんだけど行こうよ」
と計画通り誘います。友だちは計画を知っていたからノリます。
女子チームもなんか……
イケメンが行くなら行く
的なイケメン至上主義でノッてきたんですよね。世の中顔ですか?
痛い目見せたることで頭がいっぱいのぼくは「よし、なら行こう」って先頭をきりました。
0時までファミレスで時間を潰したあと心霊スポットに到着。神社までの山道は薄暗くいかにもな雰囲気です。
霊に発狂
心霊スポットに向かうには、山道を歩いて登らなくてはなりません。
月は雲に隠れ最高のシチュエーション。思惑通り女子たちは
「いや〜、こわい〜」
とかいいやがります。すでに恋愛敗者決定のぼくは「お前ら最高の恐怖を味わえ」としか思っていません。
10分ほどヒタヒタ歩いたころでしょうか。友だちが気分悪いといいだし顔色がすぐれなくなりました。
こういう時ってなぜかいきなり「わたし霊感あるからわかる、よくないよ」って遅いカミングアウトあるじゃないですか。

K美ちゃんの「連れ」のほうがいいだしたんです。こういうこといいだすとみんな恐怖が伝染してパニクりだすんですよ。
友だちが「ヤバイなら帰らうか」とか
K美ちゃんが「もうやだ、戻ろう」とかいいだしたんで
「でたよ…」と思いながら無視していると
気づけば暗い道先に何やら白い影が浮かんでました。
それはぼんやりとした人のようで。
で、霊感あるとかいいだした連れの女子が「だからいったじゃん、だめだよ帰ろう」って叫びだします。
K美ちゃんが「いや、アレ霊じゃない?」と恐怖をあおりだし、連れの女子が「もうイヤーっ」とか叫ぶと
いきなり白い影がブワっと揺れて

それにビビったK美ちゃんが
「ぎやああああ」と悲鳴を上げ
さらにその声にビビった連れの女子も
「ぎやああああ」と悲鳴を上げ
連れの女子の悲鳴にビビったK美ちゃんがまたまた
「ぎやああああ」と悲鳴を上げ
ぼくもノリで
「ぎゃああああ」と叫ぶと
2人そろってハヤテのごとく山を降りていきました。
後ろ姿たるやスプリンターのごとく頼もしささえ感じました。
パニックがパニックを呼び友だちも「ヤバイってヤバイって」と後ずさりしてぼくの腕を引っ張り帰ろうとします。
でも、裏切られたぼくは心を閉ざしており「は? ビビんなよ」とイヤ味を浴びせてつかまれた手を振りほどきます。
「なら勝手にしろ」と友だちはぼくを置いて高速で山を降りていきました。
いや、ちょっ、マジで置いてくの!?
1人になるわ周り暗いわで急に恐怖がおおいかぶさってきます。もう心臓バクバクでトリ肌立ちまくりです。
だがしかし、ぼくは漢(おとこ)である以上白い人影に近づいて正体を確かめたかったのです。
漏らしそうな恐怖と戦いながら一歩、また一歩と近づいていくと
白い影まで5メートルくらいでした。
おどろくべき白い影の正体を知ります。
そこには白い霊の姿はなく、宙吊り看板で

イモて!
隣にはひっそりといも畑が。
携帯電話で彼らにそのことを伝え、車に戻りました。車中、話しかけられても無言を貫きました。
そうすることでしか自己表現できなかったです。
読んでくれてありがとう。